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ピニンファリーナが手がけた最も美しいクーペ
フェラーリやマセラティなど、数々の自動車デザインを手がけたピニンファリーナ。時にはデザインのみならず、車体の製造をも行うカロッツェリア(イタリア語で自動車製作所の意味)として有名な同社ですが、手がけた車の中でも最も美しい車両の一つに挙げられるのが、1998年1月に日本導入されたプジョー406クーペです。
その名のとおり、406の2ドアバージョンである406クーペ。ボディはデザインのみならず、製造もピニンファリーナが担当しました。この車以降、プジョー車は社内のデザインセンターが手がけることとなり、必然的に生産も自社となっています。現在のところ、この406クーペがピニンファリーナが手がけた最後のプジョー車となっています。
406クーペは、本国ではいくつかのバリエーションが設定されていましたが、日本に正規輸入されたのは1グレードのみで、新車価格は515万円。3LのV6DOHCエンジンに、ZF製4ATのミッションが組み合わせされ、これに本国ではオプションとなっていたブレンボ製キャリパーや、プジョーとレカロが共同開発した本革シートを標準装備した、かなりの豪華仕様でした。
車内はセダンに通じる部分がいくつか見られます。共通のデザインを採用するインパネは当然としても、後部座席はクーペにしては極めて広く、「セダン並み」と言っていいサイズ。またラゲージルームも余裕タップリで、ゴルフバッグがしっかり収まります。トランク奥の赤いレバーを引っ張るだけで、トランクスルー化もラクラクOK。クーペとしては、最上級の使い勝手が確保されています。
しかし、なんといっても406クーペ最大のウリは、外装のデザイン。発売から10年以上が経過した今となっても、流麗で、洗練されたデザインの優美さは失われることがありません。実は外装部分はセダンやワゴンと同じパーツは一切使用されておらず、すべてが専用設計されています。シャーシは共通ですが、新設計のリアハブを採用してトレッドを広げており、このクーペが406シリーズの中でも特異な存在であることがわかります。
このエクステリアデザインに変更が加えられたのが、2003年8月のマイナーチェンジ。フロントバンパーのエアインテークが大型化され、フォグランプの形も変えられました。これによって、ナンバープレートの取り付け位置が、インテークの上部から下部へ変更。普通の車ならこの程度の変更は「些細」なはずですが、406クーペはデザインがウリの車だけに、この意匠変更には賛否両論が渦巻きました。結果的に、現在でもデザインという点においては、前期型に軍配を上げる人が多いようです。
一方で、装備はマイナーチェンジ後の後期型のほうが充実。ダッシュボードとステアリングの一部をシートカラーと同色に変更。センターパネルには光沢のあるアルミが施されました。さらにラゲージルームにはネットが標準装備されています。
歴史的名デザインである406クーペも販売終了から12年以上が経過し、さすがに良質の物件が少なくなってきました。一方で、中古車相場は驚くほど下がっています。まさに「即買い」しないと、手に入れるチャンスを逃してしまうかもしれませんよ? 興味をもった方はお問合せ下さい!
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